霜月二日、朝。総大将、ついに号令を下す。
蔵の中身は一つも動かさず、土台だけを入れ替える大普請。
作業は一時間足らずで終わった。――終わったように、見えた。
※ 時代劇風の語りは演出です。この回の本番反映と本番での確認は、実際に公開中のサイトで行われました。数字・日付・結果は作業記録に基づきます。
本番に反映する
前日の判断を受けて、この日、本体サイトに次の変更を入れました。WordPressは5.7.2から最新の7.1.4へ、テーマは旧テーマから自作のWATABOKORIへ。記事の本文・URL・公開状態は一切変えず、失敗したら戻せる状態を保つ、というのが条件です。
反映の前に、くーちゃんは次の準備を終えていました(11月2日付の追記)。
- 最新のバックアップを取り、ファイルごとの改ざんチェック用の値(SHA-256)を記録
- 本番に近いデータベース(MySQL 5.7)にバックアップを復元し、更新から切り替えまでを、本番用のファイルそのもので再検証。106記事のSEO主要項目とAMP 103件が合格し、Fatalエラー・500エラーは0件
- サーバーパネルで、自動バックアップが7世代(10月26日〜11月1日)あることを確認
そして反映の直前に、総大将から「最終GO」が出ています。削除は一切しない方針で、旧テーマや停止したプラグインはサーバーに残しました。
実際の作業は、実施ログによると10:30頃から11:10までです。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| WordPress | 5.7.2 → 7.1.4(日本語版)。データベースの更新も実施 |
| 設置 | WATABOKORIの親テーマと子テーマ、互換プラグインを導入 |
| 停止(削除なし) | 旧テーマ付属のプラグイン類など(件数の数え方が資料間で違うため、件数は書きません) |
| 有効化 | 互換プラグインとWATABOKORIの子テーマ |
| 設定 | ヘッダーのメニューを新しいものに。新しいカテゴリーを4つ追加(記事は0件) |
| キャッシュ | 表示を高速化するキャッシュを全消去 |
変えなかったのは、PHP(7.4.33のまま)、SSL、DNS、他のサイト、記事の本文・URL・公開状態です。
反映後の確認(本番、キャッシュ消去後)は、次のとおり通りました。
- 全106URLが表示OK。もともとあった500エラー2件も解消
- タイトル・説明文・canonicalは、切り替え前の本番と差分0
- AMP 103件は、すべて通常記事へ301転送
- sitemap.xml、robots.txt、ads.txt、フィードは正常
- GA4は全URLにタグがあり、リアルタイムで受信を確認。AdSenseも全URLにタグがあり、PC・スマホで自動広告の配信を確認
- PC(幅1280px)とスマホ(幅390px)の代表7ページで、横スクロール・画像切れ・JSエラーなし
- サーバーのエラーログは、10時以降PHPのFatalなし
- ロールバック(巻き戻し)は実施なし


と、ここまでなら綺麗な成功報告なんですが、実際にはこの途中で、いくつか引っかかっています。
「キャッシュを消した」は、消えていなかった
管理バーの「キャッシュを削除」を押したのに、実際には消えていませんでした。そのため、WordPress更新の直後に行った「切り替え前との比較」は、多くのURLで古い表示(キャッシュ)を見ていたことになります。この関門は、十分に機能していなかったんです。
テーマを切り替えたあとも古い表示が残っているのを見つけ、設定画面の「キャッシュを削除する」タブから全消去して、全項目を検証し直しました。ただ、WordPress更新だけの段階の本番確認は、記録として欠けています。補うように、最新データでのMySQL試験(ローカル)では確認済みで、最終状態の検証は合格しています。
目次が出ていなかった。第二話の「合格」は誤りだった
切り替え後、記事の目次が表示されていませんでした。第二話の「目次:合格」は、画面に出ているかではなく、設定ファイルの中の文字列を数えただけの判定だったんです。
原因は二つで、目次を探す場所の指定が旧テーマの作りを前提にしていたことと、JavaScriptの書き方が特定の環境に依存していたことでした。互換プラグインを0.1.1に直し、ローカルで確認してから本番に適用しています。監査資料の該当行も、誤りとして訂正されました。
![「こんな方に読んで欲しい」の囲みと本文、その下に折りたたまれた目次「気になるところだけ読む[表示]」が見える記事画面](https://www.weblifelab.com/wp-content/uploads/2026/11/ep03-03_toc-check-local.webp)
広告ブロックと、あえて捨てたもの
もうひとつ、作業用のChromeに広告ブロック系の拡張機能が入っていて、アクセス解析も広告も確認できませんでした。拡張機能のないChromeで確認し直しています。
意図的に手放したものもあります。手動で置いていた広告枠は再現せず、自動広告のタグだけにしました。根拠は、本体の収益が直近30日で2円、表示111回、クリック0だったことです(実施報告より)。アフィリエイト用の短縮タグ([st_af])のクリック計測も再現せず、直接リンクで表示します。
この回の記録
- 作業日:2026年11月2日。反映は10:30頃〜11:10(日本時間、実施ログに明記)
- 環境:事前検証はローカル。反映と確認は本番(本体のみ。他のサイトは変更なし)
- 進捗:12マイルストーンのうち 6/12(M4 WordPress 7.1.4、M5 WATABOKORI切替、M6 GA4・広告の本番確認)。WordPress最新版に到達したサイトは 3/7(gadget、otoku、本体)。旧テーマで公開中のサイト(WebLifeLab配下)は3(chucos、uber、investor)。PHPを最新にしたサイトは 0(7.4.33のまま)
- 残った課題:Safari・スマホ実機・全106記事の目視(機械確認と代表ページの目視のみ)、トップの運営者紹介文は案を掲載中(本人の確認待ち)、運営者情報ページに旧名義が残っている、「進行中の実験」は実験データの入力前でトップは空の案内表示、Search Consoleでの順位の監視(1週間後、4週間後)、記事の整理(別工程)
- そしてPHPは、まだ7.4.33のままです。「PHPの乱」の本題はここからです
- 原稿の執筆時点:2026年11月3日
第一章 AI時代・PHPの乱 第3話
戦果発表
第3話が終わった時点(この数字は固定です)
- 達成WordPress 5.7.2 → 7.1.4(本番)
- 達成WATABOKORIへ切替(本番)
- 達成106URLすべて表示OK/タイトル・説明文・canonical差分0(本番)
- 達成AMP 103件すべて301(本番)
- 達成GA4の受信・自動広告の配信を確認(本番)
- 達成目次の非表示を発見し修正(互換プラグイン0.1.1)
- 未確認Safari・スマホ実機・全記事目視
- 未着手PHP最新版への切替PHP 7.4.33のまま
全12工程中の達成
50%
6/12 工程を達成
12工程の内訳を見る
- 達成 現状調査(本番変更なし)(本番は読み取りのみ)
- 達成 ローカルの復元・検証環境の構築(ローカル)
- 達成 WATABOKORIのローカル検証に合格(PHP 7.4〜8.5・SEO主要項目・AMP転送)(ローカル)
- 達成 本体をWordPress 7.1.4へ更新(本番)
- 達成 本体をWATABOKORIへ切替(本番)
- 達成 本体のGA4・AdSenseの本番確認(本番)
- これから 旧サブドメインの方針決定と本人承認(WATABOKORI統一)(判断)
- これから 旧サブドメイン用の試作・予行演習に合格(ローカル)
- これから chucosの公開停止(アクセス制限)(本番)
- これから uber・investorをWordPress 7.1.4+WATABOKORI簡易版へ移行(本番)
- これから PHP 8.5.12へ本番切替(本番)
- これから 切替後1週間のエラーログ監視(本番)
達成率は「全12工程のうち、達成した工程の数」を12で割ったものです。作業時間や難しさによる重みづけはしていません。上の戦果の項目は各話の出来事の記録で、工程の数とは別に数えています。
現在のプロジェクト全体(随時更新)
83.3%(10/12 工程)
2026-11-03 13:17 JST(本番実施記録の判定時点。原稿作成時点で確認できた最新の記録)
次回予告
本丸は落ちた。しかし、この時点でまだ誰も気づいていない落とし穴が、ひとつ残っていた。そして同じ山の中には、忘れられた「出城」がいくつも建っている。PHPをひとつ新しくすれば、それが一斉に崩れるかもしれない。
――第四話『本丸の外に、まだ城があった』
連載「AI時代・PHPの乱」